花粉症の治療について

当クリニックでは、『2020年版 鼻アレルギー診療ガイドライン』に準じた花粉症の治療を行っております。

 

 早めの治療がおススメです! 

● 花粉症の治療は、「症状が悪化する前」、つまり「花粉が本格的に飛散する前」から治療を始めるのがおススメです!
● 花粉が飛散した後でも、少しでも症状が軽いうちに治療を始めると、症状をコントロールしやすくなります。

■ 早く治療をはじめるメリット
1)症状の発症を遅らせたり、症状が治まるのを早める効果があります。
2)花粉飛散ピーク時の症状を軽くすることができます。
3)点鼻薬や点眼薬など他の薬の使用頻度が少なくなります。

スギ花粉症について
  1.花粉症の症状は?

くしゃみ、鼻水、はなづまりが典型的な症状です。
小さなお子さんでは、鼻をすするとか、鼻づまりだけとか、目や鼻をかゆがったりするなど症状があいまいなことがあります。
時に、肌荒れ、耳のかゆみ、頭痛、だるさ、微熱、咳なども起こることがあります。
花粉症が中耳炎や副鼻腔炎の引き金になったり、それらの治りを悪くすることがありますので、注意が必要です。

  2.どのくらいの人がかかっているの?

子どもでは、幼少時は少なく、大きくなるにつれて有病率(症状の出る人の割合)が増えます。
また、花粉症の患者さん自体が、年々増加傾向にあるといわれています。
神奈川県民と、日本全体の10代では、およそ2人に1人がスギ花粉症を発症しています。

 スギ花粉症の有病率 


● 日本全体ではスギ花粉症の症状がある方は 38.8% です。
 
● 神奈川県では、全国平均よりも多く、なんと 48.1% です!
 
● 日本全体で子どもでは、0~4歳で 3.8% 、5~9歳で 30.1% 、10~19歳で 49.5% の方がスギ花粉症といわれています。

 
— 2020年度版(改定第9版)鼻アレルギー診療ガイドライン-通年性鼻炎と花粉症-より –
 

  3.診察と診断はどのようにするの?

まずは、鼻水がアレルギーの症状なのか、風邪などその他原因の異なる症状なのかを鑑別します。
 
診察の時に、症状について、次のような点をお聞きします。
● 鼻水は透明ですか? それとも黄色や緑色ですか?
● 鼻水は水のような感じですか? それとも粘っこいですか?
● 鼻づまりはありますか?
● 鼻や目や耳やのどのかゆみはありますか?
● その他気になる症状はありますか?
---・・・などです。
 
症状と診察の結果、強くアレルギーの症状を疑ったら、花粉症の治療を行います。
 
なお、アレルギー症状を引き起こす原因をアレルゲンと呼びます。
このアレルゲンを特定するために、ご家族と相談の上、血液検査(スギなどの血清特異的IgE検査)を行うことがあります。

  3.治療はどのようにするの?

花粉症の治療目標は、『症状がなくなる、あるいはあっても軽くて、日常生活に支障のない程度であること』です。
 
花粉症の治療方法は、以下の3つがあります。

 花粉症の治療方法 


1)日常生活での抗原(スギ花粉)除去と回避
 
2)薬による治療
・・・飲み薬、点鼻薬、点眼薬
 
3)その他の治療
・・・アレルゲン免疫療法、手術療法

 

1)日常生活での抗原(スギ花粉)除去と回避について

スギ花粉がたくさん飛散する時間は、地域やその日の気象条件、季節によっても変わります。
一般的には昼前後と日没後に多くなるといわれています。なので、花粉シーズンは出かけるなら午前中がよいでしょう。
また、花粉が飛散する要注意条件が整っている日は、より注意が必要です。

 日常で気を付けること 


● 花粉情報に注意しましょう。
花粉の多い日は、1)最高気温が高めの日、2)雨の日の翌日で天気がよい日、3)晴れていて風が強く乾燥した日です。
 
● 飛散の多い時は外出を控えたり、外出時にマスクやメガネを使いましょう。
 
● 飛散の多い時は、窓や戸を閉めましょう。喚起するときは小さく窓を開け、短時間だけにしましょう。
 
● 飛散の多い時は、布団や洗濯物の外干しは避けましょう。
 
● 帰宅時は衣服や髪を良く払ってから入室しましょう。
 
● 帰宅後すぐに洗顔、うがいをして、鼻をかみましょう。
 
● 部屋の中をこまめに掃除しましょう。特に窓際を念入りに掃除しましょう。
 

 2) 薬による治療について

 飲み薬 

■ 抗ヒスタミン薬
くしゃみや鼻水の改善にとても効果があります。
様々の種類があり、薬剤の形も様々です。普通の錠剤、口の中で溶ける錠剤、ドライシロップ(粉薬)、シロップなどがあります。
さらに、1日1回内服のもの、2回のものなどなど使い分けは様々です。
お子さまの年齢、症状や、日常生活に最それぞれに合った薬剤を処方出来るよう、ご家族と相談しながら処方します。

■ 抗ロイコトリエン薬、抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬
鼻づまりにとても効果があります。飲み始めて1-2週間後に効果が出てくるので継続することが大切です。

■ その他
ケミカルメディエーター遊離抑制薬、Th2サイトカイン阻害薬などがあります。
どうしても症状が強い場合には短期間のみステロイド薬を処方することもあります。

 点鼻薬 

■ 鼻噴霧用ステロイド薬
くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの鼻症状にとても効果があります。
ステロイドですが、内服薬に比べて副作用も少なく、長期間の使用ができます。

■ 点鼻用血管収縮薬
特に鼻づまりがひどいときに使うこともあります。
ただし、長期間使用すると逆に鼻づまりが悪化するため注意が必要です。

 点眼薬 

点眼用抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエーター遊離阻害薬などがあります。
重症ではステロイド点眼を使用することがあります。

 3) その他の治療 

■ アレルゲン免疫療法:舌下免疫療法
からだをアレルゲンに慣らして、症状を和らげたり、根本的な体質改善が期待できる治療法です。
ただし、スギ花粉症の場合は、スギ花粉が飛んでいる時期はからだが敏感になっているので、治療を新たに開始することはできません。
そのため、スギ花粉が飛んでいない時期に治療を開始します。
 
■ 手術療法
根本的な治療にはなりませんが、鼻炎に関する諸症状を強く抑制することができます。
重症のアレルギー性鼻炎の方や、鼻腔の形態異常を伴う方に行うことがあります。

花粉症について分からないことや、治療についてのご相談・ご要望などがありましたら、お気軽にお尋ねください。