流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)

★ 耳の下やあごの下が腫れて痛くなる、子どもに多いウイルス感染症です。
ほとんどは自然に治りますが、合併症に注意が必要です。

どんな病気?


耳下腺が腫れた子どものイラスト

主な症状

  • 🔵耳やあごの下の腫れ・痛み
  • 🔵発熱(多くは3〜4日で落ち着く)
  • 🔵噛むと痛い・酸っぱいものを食べると痛みが強くなる
  • 🔵食欲低下や、やわらかい物しか食べられなくなることがある
  • 🔵まれに頭痛・吐き気・耳の聞こえにくさなど合併症のサインが出ることも

🟢 おたふくかぜはムンプスウイルスによる感染症です。

🟢 耳の下(耳下腺)やあごの下(顎下腺)が腫れて痛くなるのが特徴です。

🟢 腫れ★1)は、最初は片側だけに出ることが多いです。
その後2〜3日以内に反対側も腫れて、両側とも腫れることがよくあります

★1)医学的には全体の約70〜80%が両側性で、20〜30%は片側だけのままで終わります。

🟢 腫れは1〜3日でピークとなり、1週間前後で自然に引いていきます。

🟢 潜伏期間は2〜3週間です。


💡 おたふくかぜの名前の由来

🔷 おたふくかぜは、耳の下(耳下腺)が腫れて
頬がふっくら丸くなるのが特徴です。
🔷 この様子が、昔から縁起のよい顔として知られる
「お多福(おかめ)」の顔に似ていることから、
「おたふくかぜ」と呼ばれるようになりました。

お多福の仮面のイラスト

治療は?

🟢 おたふくかぜには、ウイルスを直接退治する薬はありません

🟢 多くの場合は自然に治る病気ですので、体を休めて安静に過ごしましょう。

🟢 発熱や痛みが強いときは、解熱鎮痛薬で症状をやわらげます

🟢 耳の下が腫れて痛い場合は、冷たいタオルや冷湿布で軽く冷やすと楽になることがあります。

ご家庭で気をつけること

🔵
食べ物

🔹 酸っぱいものや固いものは痛みが強くなるため避けましょう。

🔹 痛みがある間はやわらかくて飲み込みやすいもの★2)を、食べられる分だけ少しずつでかまいません。

★2) 例:おかゆ、うどん、煮込みうどん、茶碗蒸し、豆腐、スクランブルエッグ、
ポタージュ、プリン、ゼリー、ヨーグルト、やわらかく煮たフルーツなど。

🔵
入浴

🔹 高熱や強い痛みがなければ入浴してもかまいませんが、ぬるめのお湯で短時間にしましょう。

🔵
安静

🔹 体力回復のため、ゆっくり休むことが大切です。

🔹 テレビやゲームは控えめにして、静かに過ごしましょう。

登園・登校は?

おたふくかぜの療養期間
(学校保健安全法より)

  • 🔵 耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ、全身の状態が良好になるまで

耳下腺、顎下腺、舌下腺の部位

🟢 腫れた日を0日目として数えます。

🟢 翌日から数えて5日間は登園・登校を控え、腫れが引いて熱が下がり元気になれば6日目以降に登園・登校★3)できます。

★3)腫れがしっかり引いているか、登園・登校してよいかは医師の診察で判断するのが安心です。再開前に小児科で確認してもらうことをおすすめします。

こんな症状が出たら早めに受診を

  • 🔴強い頭痛繰り返す嘔吐がある。(髄膜炎の疑い)
  • 🔴耳が聞こえにくくなった。(難聴の可能性)
  • 🔴1週間たっても腫れが引かない。
  • 🔴5日以上発熱が続く。
  • 🔴耳の下が赤く熱をもって腫れている。(細菌感染の疑い)
  • 🔴男の子で睾丸が腫れて痛がる。(精巣炎の可能性)


🚨 合併症に注意

🔸 思春期以降の男の子では、睾丸炎(精巣炎)が起こることがあります。
🔸 また、まれに髄膜炎難聴などの合併症も報告されています。
🔸 特に難聴は後遺症として残ることがあるため注意が必要です

耳が聞こえにくくなっている男児のイラスト

より詳細な情報

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2025年8月6日版