溶連菌性咽頭炎(ようれんきんせい いんとうえん)

★ のどの強い痛み・発熱・赤い発しんが特徴の、子どもによくみられる細菌感染症です。

どんな病気?

🟢 溶連菌 (A群溶血性レンサ球菌)がのどに感染して起こります。

溶連菌性咽頭炎の幼児

主な症状

  • 🔵のどの強い痛み
  • 🔵急な高熱 (38.5℃〜40℃程度)で始まることが多い
  • 🔵頭痛・お腹の痛み・吐き気や嘔吐
  • 🔵かゆみを伴う赤い細かい発しん (手足や体を中心に)
  • 🔵いちご舌 ★) や目の充血
  • ★) 🍓「いちご舌」とは、舌がぶつぶつと赤く腫れて苺のように見える状態を指します。

 

🟢 まれに、後遺症として
腎臓の病気(急性糸球体腎炎★★)
心臓の病気(リウマチ熱★★★) などを引き起こすことがあります。

★★)急性糸球体腎炎とは:感染後1~3週間ほどで発症することがあり、血尿むくみ尿量の減少などが見られる腎臓の病気です。

★★★)リウマチ熱とは:感染から2~4週間後に発熱・関節痛・心膜炎などの症状が出る病気で、心臓弁膜症の原因になることがあります。

 

治療は?

🟢 溶連菌には抗菌薬(抗生物質)が有効で、通常は5〜10日間の内服が必要です。

🟢 飲み始めて1〜2日で熱が下がり、のどの痛みも楽になりますが、リウマチ熱などの合併症を防ぐ★1) ためにも、薬は最後まできちんと飲み切ることが大切です

★1)抗菌薬は「リウマチ熱などの重い合併症の予防」に効果があるとされています。
腎炎(急性糸球体腎炎)は、薬を飲んでも発症することがあるため、念のため発症後に尿検査を行うことがあります。

 

療養のポイントは?

🔵 食事
のどが痛いうちは熱い・辛い・すっぱいものは避け、冷たくてやわらかいもの★2) を選びましょう。

★2)ゼリーやプリン、冷ましたスープ、うどんなどがおすすめです。
 

🔵 水分補給
発熱やのどの痛みで飲みにくくなることがあるので、こまめに水分★3) をとるようにしましょう。

★3)お茶やイオン飲料など、子どもが飲みやすいもので構いません。
 

🔵 入浴
熱がなく、元気があればお風呂★4) に入ってOKです。

★4)のどの痛みが強いときは、湯気や温度に注意して、短めにすませましょう。
 

🔵 安静と睡眠
体力回復のため、しっかりと休む★5) ことが大切です。

★5)テレビやゲームは控えめにし、静かに過ごしましょう。
 

 

ご家族への注意

🟢 ご家族の中に、のどの痛みや発熱がある場合は、溶連菌に感染している可能性があります。早めに受診し、のどの検査を受けましょう

 

登園・登校は?

🟢 抗菌薬を飲み始めて24時間以上たつと、感染力はほとんどなくなります

🟢 そのうえで、熱が下がり、食欲や元気が戻っていれば登園・登校してかまいません

 

こんな時は要注意!

  • 🔴熱が3〜4日以上続いて下がらない
  • 🔴のどが痛くて水分がほとんどとれない
  • 🔴顔がむくんでいる、尿の色が赤っぽい、尿が少ない

💡 こんな尿の色に注意!

溶連菌感染のあとに起こる急性糸球体腎炎では、血尿として尿の色が変化することがあります。

血尿の色のサンプル

※ このような尿の色が見られた場合は、早めに受診して腎臓の検査を受けましょう。

血尿が出た男の子

 

尿検査について

🟡 腎臓に合併症が出ていないかを確認するために、発症から2週間程度を目安に、朝いちばんの尿を持参していただくことがあります。

🟡 尿検査の実施やタイミングは、医師の判断や施設の方針により異なるため、受診時にご相談ください。

 

より詳細な情報

🟡 溶連菌性咽頭炎のより詳しい説明はコチラ。

🟡 溶連菌性咽頭炎の流行情報はコチラ。

  

2025年8月3日版